「あ〜。つまらないなぁ」 ある公園のベンチに十五、六歳ぐらいの少年が座っていた。
ふと前を見れば、楽しそうに歩いていく二人のエルフ族の女の子がいて、上を見れば、青い空がどこまでも広がっていた。
平和すぎる、平和すぎてつまらない。
もう一度前を見る。今度は三人の親子が通って行った。
男性の方は人間、女性の方はエルフ、そして二人の間に、人間とエルフのハーフの子が二人の親と手をつないで幸せそうにしていた。
やっぱり平和すぎる、つまらない。
つまらない、つまらない、つまらない、つまらない!!
そんな感情のせいか、彼はあることを思いついてしまう。
こんな平和、ぶっ壊してしまうか、と。
「……アホらしい。帰るか…」 そう呟き、月島優雅はその場で立ち、背伸びをしたのであった。