朱の大空
牛の影絵に
白き息
身切る朝
褒美か視野に
飛ぶダイヤ
頭突きする
乳仔護りたし
黒羊
地平線と
ロール登りて
添い寝する
シメジ採る
老女が蝦夷の
頃語る
空牛舎
荒れても青き
草地かな
辛くとも
春うれし急く
枝拾い
夫婦乗り
口笛吹かれし
二番草
個の弱さ
思い知る夜
軋む海氷
小さな私
この世界全て
流氷の白
牛の間に
分け入る温さ
白き朝
牛舎帰り
一皿増やす
三つ葉摘み
疲れ果て
見上げる空に
乳流る