文明の力というのはスゴいなぁと思いながら、窓の景色を眺める。
今まで放浪した風景が、タイムスリップしてくみたいに逆まわしに流れていくのが印象的だった。
その日の夕方過ぎには、旅立った町に到着していた。
「おかえり。」
カノジョは駅に迎えに来てくれてた。
「ただいま。…ごめん。」
とにかく、ツラい思いをさせたことを真っ先に謝りマシタ。
−カノジョの部屋に入る。
…相変わらずのゴミ屋敷。
床は座れないので、ベッドに座って話す。
旅先で考えてたこと。
夢を追うことで行き着いた結果。
「帰るコトを選べたのは、キミがいてくれたから。」
ボクはホントに自分勝手な人間だ。それでも、やり直したい。
「独りで生きるより、キミと二人で生きていきたいと思った。」
こんなダメなボクでは君を幸せにするなんてとても言えない。そんな自信はない。だから、
「二人で、幸せになろう。」
そう思った。
「結婚、しよう。」
ごみの中のベッドの上。
ボクらは将来を誓った。
ダメなカノジョとボクが、ツマとオットになることを誓った。
つづく