切符を買うため窓口にやって来た真司は、係員に「『まりも』一枚お願いします。」
係員が「本日ですか?」
「はい」
「上と下どち、失礼本日ですと四号車の上の寝台しかございませんが!?」
「じゃ、それで」
「行きだけでよろしいですか?」「はい」
「一万四千二百円です」
こういう時のためにあの可奈さんは両替しておいてくれたのかなどと思いながら調度の金額を支払った。
隣の窓口で五十前後のサラリーマン風の男性が
「寝台満席ですか!それじゃ『おおぞら』は?」
「『おおぞら』も満席です」
「自由席でお願いします」
その会話を聞いて
『よかった!最期だったんだ』「はい!乗車券、特急券です。四号車13−Bです。お確かめ下さい」
一応確認しながら聞いていたので「はい」と受け取ると持たされたバッグにしまった。