「ぬしらは、猫又の救済を知っとるか？」
「あぁ、それは知ってるぜ。確か虐待とか不運な事故にあって死んだ猫が生まれ変わって、もう一度生きる事ができる伝説だろ？」
僕もリーダーに聞いた事がある。
「そうだけど……、それと白の魔神様に何の関係が？」 ネイルは軽く顎をしゃくる
「老猫の話しはこれからじゃよ。あせりなさるな。」 僕は座り直した
「うむ…。白の魔神様はな、猫又の救済をする者じゃよ。」
エースが首を傾げた
「待てよ？猫又が救済してくれるんじゃ…？」
「猫又……、二足歩行は不吉、不吉と不運は同じ………、つまり酷い目にあう猫を猫又と呼ぶから？」 ネイルが僕に杖でさす 「七十点の推測じゃな。」
キッドはずっとだんまりしていた。 「？！？？？」 まだ会話の内容があまりわからないらしい。
「猫又とはな…、実際にいた猫の事じゃよ。………突然変異で二足歩行になった猫がおってな？周りから気味悪がられていたんじゃ……。」
キッドが初めて口を開く 「かわいそう………。」
「猫又は遂につらすぎて自ら命を絶った。 それを見てかわいそうと思った白の魔神様は猫又の魂を拾い、温め、また現世に返し、転生させたんじゃ。」
「猫又の救済って……そういう意味だったんだ…。」 僕は感心した
「その転生した猫又は五つの魂として今もどこかに生きておる。」
ネイルがさらに付け足した。
「なあ、本当に転生した猫は五匹なのか？」
エースが質問した
「うむ…ん…。いい質問じゃな。確かに五匹だけなのか、まだいるのか定かではないがな。」
キッドが口をつぐむ
「ん〜？つまり〜、五匹だけいるとは限らないの？」 ネイルが微笑む
「そうじゃな。そして転生した猫は定期的に白の魔神様に会えるんじゃ。」
「なぜ？」 僕は疑問に思った
「うむ、転生者は指名があるからな。白の魔神様が指名を与えるんじゃよ。」
「おっと…もうこんな時間か…。帰るぞ。」
エースが切り出した
「そろそろ夕闇に包まれる時間じゃな。わしもTetraに帰らして頂く。」
穴から出て、下水道を抜け、裏路地を駆け抜け、屋根に登った。
「じゃあな。」
エースが素っ気なくして帰る。
「兄貴！また明日！」
「あぁ…。」
白の…魔神……か…
[364] 
[0] 
[0]
