さくら。
俺のかわいい彼女。
彼女の好きなものは「桜」と「桜色」
自分と同じ名前のそれがたまらなく好きらしい。
白い肌に桜色の唇とほほ。
まさにさくらという名前はぴったりだ。
前にさくらと夢の話をしたことがあった。
「さくらの夢はね桜色のベッドで寝てみたいんだ。」
「桜色の?そんなの簡単だろ。」
「ううん。ピンクのカバーはあるんだけどホントの桜色のはないんだ。」
さくらはそういってちょっと悲しそうな目をした。
俺はさくらを一番大事に思ってる。
そのさくらがあんな目をしたことが耐えられなかった。
命に代えてもほんとの桜色をしたベッドを探してやる。
・・・さくら。
気に入ったか?
ほんとの桜色のベッドだぞ。
近所の公園まわって桜の木の枝たくさん集めて作ってたんだからな。
途中でへんなじじいに怒られたけど黙らせてきたから平気だ。
夢、かなってよかったな。
俺に感謝する必要なんかないからな。
ただお前のあの悲しそうな目が気に入らなかっただけで
お前の夢がかなってお前が笑えればそれでよかったんだ。
まぁ・・・首に俺の手形、残っちゃったけどな。