夏。・・・あつい。太陽のせいじゃないんだ。
先輩のせいなんだ・・・。
地球中の水分奪って輝くのは、太陽じゃないんだ。先輩なんだ。
グランド中の風を纏って走る姿は自由の象徴・・・
目が合っただけで腰が砕けそうな衝撃からまだ2ヶ月。なんの進展も
ないけれど・・・。
光あふれる昼とは裏腹に、暗く閑散とした道を駅に向かってるとき、薄暗いホームで電車を待ってるとき、電車に乗ってるとき、降りるとき、いつも思う。
隣に先輩がいてくれたらいいのに・・・
運命は残酷だ。
眠りに就くとき、先輩を想って目を閉じる。
明日はもっと、素直になれますように。先輩の役に立てますように。
ずっと笑顔でいてくださいますように。
自由でいてくださいますように・・・
ケガが早く治りますように・・・
ワガママなお願いを、神様はきっと、聞いてはくださらないだろう。・・・それでも少女は眠る。淡い朱の想いを抱き、愛される明日を・・・夢に見て・・・・・・。