「なにかの事件?プラザ万葉爆破事件をおこしたんじゃないんすか?」
想定してない言葉だったようだ。
「それはまだわからん。」
「どうしてそんな考えに?」
哲史は全然分からないみたいだな。
俺は、テレビをまだ臨時ニュースを報道している局にかえた。
「今日はプラザ万葉に芸能人の・・・・・・」
ちょうど知りたい情報だ。
綺麗なニュースキャスターが事件について話す。
「・・・・・・が来ておりまして、同ビルの地下でイベントをやっており、近隣の人や他の県から来た人など、プラザ万葉に来ていた人々はそれを見ようとする人がほとんどでした。」
ここで芸能人の顔写真が映る。
知らない顔だ。まあ、芸能人にはたいして興味がないから、有名でも知らないがな。
次に、爆破される前のプラザ万葉の映像が映る。
「見てのとおり、プラザ万葉の周りには人がほとんどいませんね。」
キャスターの言うとおり、プラザ万葉の周辺には人が2、3人。
映ってないところもあわせても、30人はいないんじゃないだろうか。
「みんな彼女を見るために地下に入っていたからでしょうね。」
そんなことをデップリとしたコメンテーターが言った。
こいつの言うとおりなら、犠牲者は凄い数になりそうだが・・・・・・
「そのおかげで、爆破による二次災害をこうむった人は少かったようです。また、消化活動が素早く行われ、2階以上に火がまわることもなく、周りのビルも被害はないということです。」
さすがに芸能人がいるだけあって、対応が早いな。
まあ、プラザ万葉の災害設備の力もあるんだろうが。
「そのため、2階以上にいた人は今確認されてる時点では軽症者だけのようです。」
「いや〜、助かった人がいてよかったですね。」
「はい。2階以上にいた人数が少かったおかげもあります。しかし、1階以下にいた人達に生存者は確認されてないそうです。」
「悲しいですね。」
「こんなことをするなんて、やはりこれはテロかなにかなのでしょうか?」
やっぱりか。
ニュースキャスターとコメンテーターの話を聞いて確信した。
「聞いてのとおりだ。」
哲史を見るが、首をかしげていた。
わかってないみたいだな。
「たくっ。いいか、あいつはなにをしたと言った?」
「なにって、万葉市で事件を・・・・・・あっ!」
気付くのが遅いわ。