聖鳳凰女学院、この学園は、あらゆる財閥の御令嬢が通うところだ。当然ながら俺のような男子は禁制だ。
………守護者を除いて………。
そびえ立つ巨大な門、門には「The Opening to the END the END to an Opening.」と彫られている。「成る程、学校だ。」そう呟いて俺は深呼吸をした。「さて、やるか。」
そう言って、俺は門をくぐり、校舎へと目指した。途中、女生徒二人とその守護者と思われる男二人とすれ違い、怪訝な目で見られはしたが何も言われなかったのは幸いだ。校舎に着き、そのまま校長室に向かおうとした時、「おい!」と後ろから呼び止められた。振り向くと、190?はあろうかという長身に身体は筋骨隆々、その上スキンヘッドでグラサンをかけている、どう見ても学園に相応しくない男であった。
すると、「武藤 蓮だな。」そう俺の名を呼んだ。
「待っていた。」「待っていた?」俺は聞き返した。すると「ああ、待っていたとも、時間がないんだ、早速仕事をしてもらう。ついてきてくれ、詳しい話は後でする。それと私の名は久瀬 神だ、久瀬と呼んでくれ。」そう言っていきなり、俺の腕を引っ張った、一瞬身体が反応したが、なんとか堪えた。
連れられるとそこは、教室だった。その上、一人の女生徒が立っていた。髪は黒と茶が入り交じり、腰まであろうかという長さで、身長は160?くらいだろう、スタイルはいいのだろうが、胸はやや控えめだ、しかし、そんなことより一際目立つのが、ハーフなのだろうか、左目は青く右目は碧であり鋭い目付きをしていたことだ。
俺は一瞬その目にくぎづけになった。すると、「久瀬、そいつが代理か?なんとも頼りなさそうな奴だな。本当に大丈夫なのか?」彼女が言った。「大丈夫です。守護者としては全くですが、戦闘能力に関しては最強ですから。ご安心下さい。」久瀬が言った。
「ちょっとまて!まさか、仕事ってこの女のお守りか!?」俺は久瀬にくってかかった。
「いや、本来の仕事はべつにある、ただ今回、この方の守護者が倒れたため、あくまで、その臨時をやってもらう。」
俺は、ちらりと彼女を見、睨まれて先が不安になった。