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SH  2008-06-20投稿
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今日もアナタを恋しく思う

アナタに声を掛けられたのはちょうどこんな雨の多い季節だった。

アナタの舞台を観た後の送り出し中。
「今日もすぐお帰りですか?」
ふいに話し掛けられびっくりした。
「いいえ、
今日はちょっとごはん食べてから帰ります」
緊張をかくすように笑顔で答えた。

「…。もしかして、うちの座長とですか?」
やっぱり知ってたんだ…。
私は、彼の父であり、師匠である、この劇団の座長にさいきん口説かれていた。
本気なのか、あそびなのかはわからなかったが、
しらない世界のハナシがとても面白くて、危ないとは思いつつ、ときどき座長とあっていたのだ。                 アナタは不意に
驚いたような
むっとしたような
表情になり

「ほんまにに気を付けてくださいよ、あんまし知らんオトコと、よぉでかけんほうがええですよ」     と言うと、
ぷいっと楽屋に帰ってしまった。

意味もわからず、混乱したまま、ぼーっと座長をまっていると、
化粧を落とし、素になったアナタが降りてきて、電話番号とメールアドレスの書かれた、小さなメモ用紙を渡して
「ほんま気を付けてくださいよ、とにかく、食事おわったら連絡ください」
「えっ?チョ、チョットどういう―。」
アタシの質問など聞かずにアナタは戻っていってしまった。



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