男子「幸原ぁー!お前深津のこと好きなんだろー?」
大きな声で、ある男子が幸原君に言った。
アキヨシ「え!?」
幸原君はこっちを見た。
私は、すかさず視線を逸らし、恐怖に怯えた。
きっと、彼も最初から私をイジメるつもりで近付いてきたのかもしれない…。
私との変な噂が流れて、絶対に嫌に決まってる…。
私…また…虐められるんだ…
その日の放課後
定刻通りに教室を出る
いつもより速いペースで
タイミングが悪いことに
目の前には幸原 暁義。
私は走った。
幸原君がこっちを振り返えらない内に、追い抜いてこう…。
アキヨシ「待って!!」
呼ばれたのは分かったけど、私は走り続けた。
アキヨシ「深津!!」
ぐいっ―――……!!
ルイ「…な……んですか…?」
震える手。
もう泣きそうなくらい辛い。
幸原君は、微笑むと
アキヨシ「一緒に帰ろう」って
言ってきた。
その時一瞬、安心した。
でも、もしかしたら帰り道やられるかもしれない…。
ルイ「えっと……」
アキヨシ「嫌だ?」
断ってもやられるだけだ。
ここでは人が多すぎて、他の人も一緒に私をやるかもしれない…。
私は張り裂けそうな喉から小さく「うん」と言った。
続く