「桑原さん…あんたは俺をここに連れてきた理由はなんだ?まさかただ懺悔したかっただけじゃないんだろ?」
「それは…巻き込んでしまったうえにこんなこと頼める訳が無いとは思ってるんだけど…マヤを助けて欲しいの」
「助ける?確かにさっきのマヤはおかしかった。右手が剣になったり、殺し合いをしようとか…」
「それはナノウィルスのせいなの、私が作ったウィルスは本来は病原の駆逐と再生をして足りない部分は自己変化で補うように作ってた。でも私が知らない間にそのプログラムに手を加えられていたの」
「それで剣になったりしてたのか…まさに軍事利用ってことか…」
「そう…そしてマヤは1ヶ月前から私が解らなくなってた。ただ先生ってだけ…」
「それこそ俺じゃなくてマヤを連れてくれば…」
「今私はマヤの担当を外されたから…マヤの体内の発信器を外せない。」
「発信器?それってまさか…」
「ええ、貴方にも付いてるわ。今は私の半径200メートル以内の発信器信号は中和されてるから大丈夫だけど…、話しが終わったら取り除くわ」
「マヤを助けるって言ってもどうやって?」
「さっきも言ったけどマヤのウイルスは貴方にもあるの。最初は僅かだったけど今はかなりのナノマシンが貴方の体内にある。マヤが出来ることは貴方にも出来るはず。」
「…断ったら?」
「……どうもしないわ。発信器は外してあげるからここでお別れね。」
「…結局は頷くしかないってことか…?まぁ断る理由もないけどな。」
「ありがとう…」
「うまくいくかはわからないけどな。とりあえずはこの身体でやりたいこともあるし。」
「やりたいこと?…復讐?」
「どうかな、結局復讐って言っても記憶にない親の仇とかはイマイチピンとこないしな…。」
「じゃぁ…何を?」
「とりあえずは旅客機の人間を殺したのは事実なんだろ?そんな意味わかんねぇ組織なんざぷっ潰す。あと今んとこたった一人の友達を助けにってとこかな」
「ありがとう…私も出来る限りサポートしていくから。」
「ああ、でも桑原さんは真っ当な人間なんだろ?無理しないようにな。」
「ええ。わかってるわ。それじゃまずは発信器を取り外しましょうか。
それと…貴方の名前は神崎、神崎真って名前よ」