「私、ノエル・スノーっていいます。ノエルって呼んで。ヨロシク」
講堂に向かう途中、思い出したかのように突然俺の前に踊り出て自己紹介してきた。肩までの髪に大きな目、活発そうな娘を連想させる。
「あのう貴方のお名前は?どの学科をせんたくしたの?」
「あぁ、…俺はリューク…学科は…魔法学…」
不本意ではあるが決まっちまったことは仕方がない。入る羽目になった学科を伝えると。
「えっ?リュークも魔法学?私もなんだぁ。やっぱり目差すは大魔導士?」
目を輝かせ問いかけてくる…てもう呼び捨てで呼ばれている。…まぁいいけど。
頭をかきながら俺は本当は武術学科志望で魔法学科にまわされた事を話した。
「へぇ…そんなことあるんだぁ。」
「ん。あるみてぇだな」
ため息まじりで相槌をうつ…
「でもそれって魔法の才能があるってことでしょ。私なんかそんな突出した能力なんかないよ」
ノエルは口を尖んがらせて言う。でも望む学科ならまだしも潜在的な事で勝手に決められてはたまらない。
そんな話をしつつ講堂についた。