冬が過ぎ…
僕は3年になった。
皆、徐々に卒業後のことを考え始めていた。僕もその1人でその事をノゾに話してみた。
『ノゾは卒業したら何すんの?』
『えっ!…』
僕の質問で、目の前のノゾは明らかに慌てている。
『決まってないの?』
『…いや、ウエディングプランナー…になりたいかな。』
『格好いいじゃん。オレは保育士かな。子供すきだし…』
また一瞬ノゾの表情が変わった。僕は、少し嫌な予感がした。
僕は、話題を変えたくなって、とっさに
『今からノゾん家行っていい?』
すると…
『…ゴメン!』
そう言ってノゾは走り去ってしまった。
しばらく座って頭の中を整理しようとした僕。でも、よくわからないまま、僕は帰ろうと立ち上がった。
その時だった…
『…オレの…カナを…返せ…』