依存?

えり  2008-06-22投稿
閲覧数[494] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「ただいま…」

夜11時をまわった頃、疲れた顔で拓海が帰ってきた。
「おかえりなさい。今日もお疲れ様でした。」

優しく微笑む由紀に、拓海はいつも癒され、そんな由紀をとても愛しく思っていた。
更に驚いた事に、テーブルの上には晩御飯まで用意されていた。
普通の家庭なら当たり前の光景かもしれないが…

「これ、由紀が作ってくれたの…?」

テーブルの上には、シチューとくるみパン、それからいかにも女の子が作ったと感じのする可愛らしいサラダが並べられていた。

「そうよ。そんなに驚くなんて失礼ね!」

冗談で怒ったフリをした。そしてあの優しい笑顔で続けた。

「さぁ、早くお風呂に入ってきて。それからご飯にしよっ!」


職種や営業所は違うものの、同じ会社で同期のふたりは収入もほとんど変わらず、その為生活費は半分ずつ出していた。
そして、家の役割分担も決まっていた。
由紀はもともと料理が苦手だったが、運よく?拓海の得意分野だったので、そのまま担当になった。その代わり掃除や洗濯など料理以外の事を担当する事になったのである。

そんな由紀にとって、シチューは自分が作れる数少ない料理のひとつで、得意料理のひとつでもあった。

拓海がお風呂から出たのを確認してから
「シチュー冷めちゃったけど、レンジでチンしたのでいい…よね!?」


拓海は、俺だったら鍋で温めなおすけど…と心の中で苦笑したが、脱衣室から出ながら「由紀らしい…」と軽く微笑んだ。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 えり 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ