「わん、わん!」
犬に追い掛けられている子供が泣きながら前方より、かけてくる。
「うわーん」
これはヤバイと思い犬の前に踊り出る。
…がその瞬間溝に落ちる。犬はもう目の前え。
「のわー!」
ヤラレル…本気で思った。
「ペロペロ」
「ん」
犬は襲い掛からず人の顔をなめ回す。
どうやら遊びたかったようだ。
ひとしきり遊んでいると犬の飼い主が探しに来た。
そこには追い掛けられていた子供の姿もあった。
なんでも、飼っていた子犬が入院し、泣いていた子供の為に、親が親戚から子犬の親犬を連れて来てと頼んで、子供に親犬の散歩を頼んだら一人で帰って来たからびっくりして探していたらしい。
子供になんで親犬に追い掛けられていたの?と尋ねたら、
「だって大きくて怖かったんだもん」
と半ベソで答えた。
なにか御礼を…と言われたが運動になったからと苦笑しながらその場をさった。