「な、何が言いたいの…?」
動揺してるのがばれないように堪えながら尋ねる。
すると彼女は顔を接近させて呟いた。
「あなた、邪魔なのよ」
――!!
バッ!!っと、距離をとる私。
「碧、言ってたわ。飽きちゃったんだって
あなたに」
「っそんな事、言わない…」
弱々しく否定する。
だけど心は支配されて、頭の中を彼女の言葉がこだまする。
「碧が大学へ進まないのも、あなたといたくないからよ。あなたがいると千里に向いてる気が乱れるから…」
そんなの…嘘。
「嘘だと思う?」
「!!」
心を見透かされてドキッとする。
「そう思うなら本人に直接聞いてみれば良いわ。…無駄だと思うけど」
ふんわりカーブを描いた髪をかきあげる千里ちゃん。
私は地面に視線を落とした。
もう用はないのだと思ったのか、千里ちゃんは家の中へと姿を消した。
ドアの閉まる音がむなしく響いて、私は一人取り残される。
彼女のあの自信に満ちた顔。
嘘?それとも―――