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『未來あのね、この“タラ〇ガニ入り魚介のト〇トクリーム”ってパスタが美味しいの!!』
赤いテーブルクロスの上には、ディナーの料理とワイングラスがふたつ。
無邪気にはじゃぐ彼女の笑顔を見ていると、僕は目の前の美味しそうな料理よりも嬉しい気持ちになった。
それ程広くはない店内の照明は、程好く落とされ、
気取らないアットホームな雰囲気は、案外僕も“この店が好きかも”なんて思った。
『所で未來―』
『エリカちゃんあのさ―』
二人で同時に口を開いた。
『あ、ごめん。どうぞ、お先に。』
『え?!いいよ未來が先で。』
思わず二人で顔を見合わせる。
『‥‥‥ぷっ‥。』
『‥‥‥あはははは‥。』
そのまま顔を見合わせたまま僕達は笑っていた。