日も暮れかかった午後―
ガッシャーンッ
硬いものをぶち破いたようなものすごい音が、ロードタウン警察署に響いた。
「なっなに?!」
メレディスが仕事をしていた手を止め立ち上がる。ウィルは黒いソファーの上で横になって寝ていたが、その音ではっと目を覚ました。
音は、例の不審者を入れている部屋から聞こえた。
「ウィル、メレディス、早く来い!!」
すでにそこへ行ったハリソン警部が叫ぶ。
そこに不審者の男の姿はなかった。ただ、分厚い部屋の壁の大きな穴だけを残して。
「これって・・・・!?」「どういうことだ?なにをどうしたらこんなことが・・・・やつの仲間か・・!?」
ウィルは目をつぶった。そして全神経を耳に集中させた。
「ハリソン警部、・・・・病院だ・・・!早く病院へ!!」
ウィルが予感したことは現実となった。病院は真っ黒な煙をあげ、眩しいくらいの赤い炎がめらめらと燃えていた。
メレディスはひざをついた。
「うそでしょ・・・・今の間に・・・!?」
「なかに人が・・・!」 ハリソン警部は目を赤くして、そこへ入れば一溜まりもない炎へ飛び込もうとした。
「ハリソン警部!」