『あ‥‥わりぃ‥コレ、食べちゃダメだった?!』
聖人がバツ悪そうに言った。
『ポッキー口にくわえながら言うなっっ!!』
怒っているミズホさんと――
『ぶっはっはっはっは!!』
受けているサトル君。
そして――
『ミズホさん!!後で買い出し行く時、“つぶつぶいちごポッキー”いっぱい買いましょうよ!!』
何とかなだめようと必死なあたし。
とにかく、何時もこんな調子だったあたし達4人。
聖人と知り合えたからこそ、仲間にしてもらえたあたしだけど、
放課後の3-5でのおしゃべりは、
本当に本当に楽しかったな。
サトル君とミズホさんは、三年生だから、これから受験勉強で忙しくなると思うから、
今日のクリスマスパーティーは、サトル君とミズホさんにとって、
中学校生活最後のステキな思い出になれたらいいなって、
あたしは心の中で、そう願っていた。
“つぶつぶいちごポッキー”を聖人に食べられたミズホさんは、少し機嫌が直りかけたと思いきや、
『そうだ!!あたし達、色々買い出ししたり、準備があるから、サトルと聖人にケーキとチキンを取りに行ってもらおっか奈央ちゃん!!』
なんて――
そう提案したんだけど、
サトル君と聖人は意外にも、それをあっさりと引き受けてくれたんだ。
『オッケ!!』
―とサトル君。
『はいはい。“つぶつぶいちごポッキー”を食っちまったからイヤとは言えねぇし。』
ぽつりとそう言った聖人が、何だか可愛く見えた。
『ラッキー♪後でみんなで奈央ちゃん家に集合〜〜〜♪』
ミズホさんの今の一声で、機嫌が完全に直ったと分かったあたしは、何だか少しだけホッとした。