おそるべし手塚?

てるちゃん  2008-06-24投稿
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俺は絶対にブラックジャックを読み終える!
手塚の妨害を避けつつ読み終えてみせるぞぉぉぉぉぉぉ!!!


・・・と心に誓った。

・・・スッと本を開く。

手塚チラミ。

パァァァ〜ン!

・・・スッと本を開く。

手塚チラミ。

パァァァ〜ン。

・・・スッと本を開く。

手塚チラミ。

パァァァ〜ン!

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

長い長い戦い。

手塚も、もはや意地になっている。
車内の乗客も俺たちの戦いに注目しているのが伝わる。

何分戦いが続いたのだろう・・・
俺の精神力もつきかけたその時!

前の高校生が席を立ち降車した。


やったぁうわぁぁぁぁ〜!!!!


心の中で勝鬨をあげた!


ついに戦いに終止符がうたれた。
即座に座り手塚の顔をみる。
手塚、明らかに悔しそう・・・。

完全勝利。

一喜一憂で一人でブラックジャックを堪能する。


・・・が。


次の駅で俺の隣のサラリーマンが降車・・・。


うわぁぁぁぁぁ〜・・・


手塚の顔を見ると明らかにニヤニヤしている。


手塚となりに着席・・・

俺のHPは、もはや0に等しい。

・・・負けたよ。

・・・さぁ

・・・もう一緒にブラックジャックを池袋まで読もう。
敗北した俺は、自分のペースでページを捲ることはできなかった。

そんなおり。

手塚は勝利に確信したのかウトウトしだした。

手塚の頭は右へ左へ

遂には俺の肩にもたれかかった。


なんだよコイツ!

どこまで俺を敗北の底へ誘えばいいんだよ・・・

心の中でいくら爆発しても彼には届かなかった。


肩で手塚がスヤスヤ寝ている。

俺は諦め、ブラックジャックを読むことに集中した。


すると、

車内の乗客が俺の方を見てクスクス笑っている。


・・・・?

・・・・・・!?

・・・・・・・・ま、さ、か、!!

すぐに手塚の顔を覗きこむ!!


テ!ヅ!カ!起きてるぅぅぅぅぅ!!!!!


寝たふりきめこんで・・・

俺の肩利用して・・・

ブラックジャック読んでるぅぅぅぅぅ!

車内の乗客は笑っている。
その笑いに俺もつられて笑ってしまった。


そこで初めて声をかけた。
俺「負けました・・・ブラックジャック渡しますから読んでいいっすよ・・・」

手塚「いえいえ。最後まで二人で読みましょう。ニヤニヤ」




池袋まではまだまだ遠い。

おわり

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