「ただいま」
優子は部屋に入ると、父と母の怒り狂う声が聞こえた。
なに・・・?
不安になり、リビングのドアを開けようとした。
「おまえとなんか離婚だ!」
優子はうごきを止める。
離婚・・・?
父の言葉に、優子は一瞬立ちくらみがした。
母と父は、リビングに入ってきた優子を見ると、
「優子いたの。お母さん達離婚するから優子、お母さんのところに来なさい。」
唐突すぎる。
優子はその場でへたりこんでしまった。
離婚なんて聞いてない。
優子は思わず家を飛び出した。
後ろから母と父の、優子を止める声がした。
だが、優子は足を止めず、走り方続けた。
気付いたらコンビニの前にいた。
ガラス越しに見える明るい店内が、ひどく遠く見える。
もうやだ・・・
「優子?」
優子は、聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、振り向く。
そこには、さっき一緒にファミレスにいた男が立っていた。
「どうしたの?」
男は優子に駆け寄ると、尋ねる。しかし、優子は何も答える気にはなれなかった。
「よし、俺がジュースでも買ってきてあげよう」
優子はジュースが欲しいなんて一言も言っていなかったが、俺はジュースを買いに店内へと入って行った。
全く・・・陽気な奴。
そう思いながら優子は、コンビニの駐車場のブロックに座った。
プルルルル・・・
携帯が鳴っている最新は親からだと思い、出たいとは思わずに、切った。
プルルルル・・・
「しつこいなぁ」
優子は仕方なく電話に出ると、その瞬間青ざめた。
いたずらはやめて下さい。
え?本当に麻里奈?いまどこにいるの?
ねえ。
電話は一方的に切られた。
「明日朝体育館に行くから優子だけで来て。」
単純な内容。
優子だけできて。
何故私だけで?