星の蒼さは 81

金太郎  2008-06-24投稿
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「……今一つイメージと違うな…」

[蟒丸(ウワバミマル)]の中で、ニノミヤは唸った。[TheGodOfDay]による破壊がトーキョーに比べて軽微だからだ。
ビルは倒れ、橋は落ち、僅かな木々は松明の様に燃え盛る。各地に火災が起き、パニックに陥っている。だが、トーキョーはこんなものではなかった。

「やっぱ市内のど真ん中にぶち込んでやった方が良かったか……」

アポロの決定により、リバティ島の自由の女神に照射したのだが、湾内を渡ってニューヨーク市内に届く前に海水で熱が冷えてしまったようだ。

「これでいい」

WW・ルシファーのコクピットのアポロが笑いながら手を叩いた。

「見ろギンジ、死にきれず苦しむゴミがウジャウジャいるぞ」

成る程、確かに死にきれない一般人が累々と積み重なり、まるで地獄絵図だ。

「これはこれで良かったかな……」

「美しい『黒』だ……」

快感に浸っているアポロにニノミヤにはある疑問があった。

「なぜ自由の女神なんです?」

閉じていた目をゆっくりと開けて、邪悪な笑みを浮かべてアポロは言った。

「ルナがね………言ってたんだよ、見たいって。自由の女神……」

「………」

付き合えば付き合うほど邪悪な奴だ。
普段から思う、このアポロという人間の闇。

月の影より暗い。

我ながら上手い表現だと思う。
まあ、今はそんな事は関係ない。好きなだけ暴れればいい。
気の済むまで。

今は………

(大尉!地球軍艦隊が接近中です!)

ニノミヤが預かった弩級戦艦キリエルと、七十のダークキャットとケイロンの混成軍。周囲の警戒に当たっていた部隊から連絡があった。

「あ?規模は?」

(大部隊です!このニューヨークを包囲するように展開しています!)

「チッ、見抜いてやがったか……」

[TheGodOfDay]の攻撃で浮き足立ったところを一気に孅滅及び制圧する。
うち(月軍)の常套手段だが、判断が早い。

「おい、クズ共!WWはてめーらが上だ!片っ端から叩き落とせ!」

ニノミヤは部下に支持し、自らも蟒丸のライフルの安全装置を外し、白熱刀の作動を確認する。

そこで、彼は懐かしい機影を見つけた。

「お![零]もいるのか!?日本軍もか?」

我が祖国・日本のWW、零。彼は白熱刀を構え、三機の零めがけて突進した。



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