ガタン−−− ゴォ
ガタゴトン−−−
最近出来た複々都心線の電車に揺られ、外にある景色を眺める……。
暗いトンネルを抜け、青で彩られた世界に続き、また暗いトンネルに入る
そんなループを繰り返す不思議な路線を走る電車に乗る俺は、何処に向かう? そんなの 知らないよね
俺は古池信太(コイケシンタ)。
東京に住んでいて、少し有名な大学に通う、スポーツが好きな普通な人。
普通……なのかな…?
まあいい、とりあえず今日は久々に祖母の家に行く事になった。
親が「たまにはおばあさんに会いに行きなさい」と言ったので、しょうがないから………。
それにしても今日はおかしい。客が少なさすぎる。 いや、俺だけ……?
アナウンスが微かに聞こえる
「次は―ッ―か――ザ―です…。」
「えっ?」
行き先の部分だけ雑音で掻き消されていた。
だけど、駅員もいるし、景色も普通…。
俺は二号車から、操作室がある一号車に行った。
ドアを開けたが、やはり誰もいない。
綺麗な白い壁を見ながら、失望する。
駅員は……いるのか…?
「……いない。」
いない。 何処にもいない 一番の後ろの車両にもいない。
じゃあどうやってこの電車を動かしているんだ!!?
そういえば、ホームにも改札にも人はいなかった。 ラッキー…。空いてんじゃん! てな感じだった。
「………電話は!?」
携帯電話をポケットから取り出した。
が、圏外で、全く訳にたたない……。
「ネェ」
いきなり、子供の声が後ろから聞こえた。
後ろを振り向くと、そこにいる子供の姿にア然とした。
服は少し貧乏臭いシャツと半ズボンで、身体の半分がぐちゃぐちゃだった。
「何をサガシテるの?」
ィ―― ― ッ ―\r
という音が頭に響く
「ネェ……僕の…」
頭が―――――\r
「半分…………」
子供の身体の半分が消える
「サガシテ」
――――――いきなり電車が停電になる
ガ ――
という雑音が聞こえた