「私のいた村に似てるわね」ハルは買い物に来ていた。あの後、ハルが紅い髪の少女に頼んで泊めてもらうことになった。そのお礼にハルは今晩の夕食を作ることにしたのだ。
「あ、そういえばあの子は嫌いな食べ物はあるのかな」
みんながみんなレーヴェみたいに嫌いな食べ物がないわけじゃない。と思う。
「よし、今晩はみんな大好きカレーライスにしよう」
ハルはこれなら大丈夫だと確信した。
気まずい。非常に気まずい。何かを喋るでもなく、寝ているそばに座らると困る。レーヴェは何か話題はないものかと考えをめぐらせた。
(あ、そういえば名前しらなかったっけ)
紅い髪が印象的できくのを忘れていた。
「名前は、何ていうんですか?」
いきなりすぎるかとも思ったがレーヴェは率直にきいた。
「セツナ」
返事は素っ気なかったが、なんだかちょっとうれしそうだった。
「セツナちゃんか、いい名前ですね」
「ちゃん?」
「あれ、ダメですか?」
子供の女の子には「ちゃん」をつけるのが普通だとレーヴェは思っていた。
「私、これでも16歳」
「えっ、16歳・・・・。」
年上だった。一つ年が離れていた。とても16歳にはみえない姿だった。