ワーキング・プアからの脱出 32

楽園 海風  2008-06-26投稿
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高校卒業後は自衛隊に入隊して、戦闘機のパイロットになるつもりでした。終戦によって、父が果たせなかった、戦闘機のパイロットに、私が代わりになってやろうと、考えていました。
自衛隊の戦闘機乗りに成る方法は、防衛大学を卒業後にパイロット養成コースに進む方法と、航空学生を卒業する方法の2つがありました。高校の成績が悪かった私は、航空学生に入学する方法を選びました。
この頃の私は、父のように将来を考えて、パイロットを希望していた訳では無く、自分自身が自由自在にコントロールできる乗り物で、最速である戦闘機に乗りたいという、単純な理由からでした。
今でもそうですが、速い物が大好きで、俗に言う、スピード狂だと思います。ですから、経済事情が許すのであれば、車はフェラーリに乗りたいと思っています。日本車ならGTRに魅力を感じています。
航空学生学科試験及び適正検査筆記試験は、自衛隊の駐屯地内で行われました。学科試験は普通の成績でしたが、同時に行われた適正検査筆記試験は満点の成績を取り、全国でトップでした。
この試験は、操縦席から見た景色の写真が、操作前と操作後の2枚提示されていていて、どのような操作をすれば、写真のように成るかを、4つの文章から選び出すものでした。
パイロットを志願する程ですから、飛行機には、それ以前から大変興味があり、勿論、飛行機の簡単な操縦方法は文献より知っていました。
簡単に説明すると、上昇したいのなら、エンジンスロットルを開いてエンジン回転を上げて操縦桿を手前に引き、下降したいのなら操縦桿を前に押す。機体を右に傾けたいのなら操縦桿を右に倒して、希望するだけ傾いたのなら操縦桿を中央に戻し、機体を左に傾けたいのなら、同じく操縦桿を左に倒し、希望するだけ傾いたのなら操縦桿を中央に戻す。右旋回したいのなら、操縦桿を右に倒しながら右の方向舵ペダルを踏み、左旋回したいのなら操縦桿を左に倒しながら左の方向舵ペダルを踏む。この操縦の基礎は、単発のウルトラライトプレーンから超大型のジャンボジェット機まで同じです。
試験終了後、適正検査筆記試験で満点を取った私に、試験官から、
「君は軽飛行機の操縦免許を持っていますか?」
と、質問されました。
つづく



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