あなたの存在

ふく  2008-06-26投稿
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この再会をどんなに夢見たか
だけどどんなに避けてきたか

あなたの名前を呼びたくて喉まで出かかった声をまた飲み込んだ
あなたに駆け寄りたくて踏み出した右足を止めた

振り返ってあなたが優しく笑うなら
私はまたあの頃の様に恋をする
あなたが冷たくあしらうなら私の中の綺麗な思い出が消えていく

喜びに変わるか傷になるか解らない
どちらに転んだとしてもあなたへの未練は薄れない
そんなこと解っていたから

待ち望んだ人生二度目のあなたとの照れ臭い挨拶と笑顔のやり取り
存在に気付いて欲しかったけど目を伏せた

傷付くことには結構慣れてたはずなのに
傷付けられることを恐れている

あなたが見えなくなってからこれで良かったんだと気持ちに嘘を付いた
あなたが生きていて
元気でいて
また少し大人になって
素敵な人になって
そう知っただけで良い
心に沸き上がる小さな恋心もいつしか薄れる
次訪れるかも解らない再会
それまでにはもう少しあなたを忘れていられるはず

本当はほんの僅かな時間でも良いから
あなたと私の時間が欲しかった
あなたの時間を私に預けて欲しかった
昔話なんていらない
今のあなたを知りたかった
二人のぽっかり空いた時間を埋められるなら
笑い合うことで人の隙間を縮められるなら

あなたの存在を再確認することで
私は胸を苦しめられ
そしてやっと薄れかけていた未練がまた強くなる



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