スタアの恋 TRINITY〜ARATA〜 9話No.1

MIZUKI@VENUS.T  2008-06-26投稿
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9話『アラタの想い…』

どのくらいたっただろう。

私はその場を動けなかった。

今はアラタの事は頭になく、拓哉さんの事だけが頭から離れなくて…。


死んだなんて嘘だ………。信じられない。

…立ちすくむ。



携帯が鳴った…




アラタだった。


アラタ『いずみ、これから帰るよ。
何か買って帰るものとかある?』


いずみ『アラタ………私帰らないと。』


アラタ『どうした?』



いずみ『帰らなきゃ………拓哉さん、死んだの。』


アラタ『いずみ、拓哉さんって旦那の事?』



いずみ『ごめんね、アラタ。』


アラタ『待った!
すぐ帰るから待ってて。
いずみ、必ずそこにいろよ。』


私は返事もしないで泣いていた。


20分くらいでアラタは帰ってきた。


私の異変にすぐアラタは気付いた。


アラタ『いずみ?』


いずみ『私のせいよね。こんな生活してたから天罰が下ったのよ。
なんで私以外の人まで不幸に会うの?
しかも、それが一度は一生を共にすると決めた相手だなんて…。
私以外に誰のせいだって言える?』


アラタは私を抱きしめた。


アラタ『いずみ、落ち着いて。
死んだのはいずみのせいじゃないから。』


いずみ『私のせいよ。事故だとしても私が死なせたのと同じ…。』


アラタは黙っていた。

私は自分を責めた。アラタの気持ちも考えずに…。



アラタは私の手を握ったままだった。


いずみ『アラタ、ごめんなさい。
今は拓哉さんの事しか考えられないの。
私のすべてを受け入れて結婚してくれた大切な人だった…。なのに私は………。』


アラタ『いずみ………。』

私はアラタを傷つけた。


アラタ『家まで送るよ。』

ただそれだけ言ってアラタは送ってくれた。


別れ際、


アラタ『待ってるから。』
と言い残して…。



その後、色々あった。
拓哉さんが離婚届を持っていたこと。


それは、私に対する最後の愛だったのかも知れない。

続く…。 9話No.1



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