僕は君の未来を永遠(トワ)に。<42>

麻呂  2008-06-27投稿
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* * * * * *

それから数日後――

週末までは、それ程時間が経つのが遅くは感じられなかった――


僕は、エリカちゃんと一緒に、その女の子の入院する病室を訪れていた。



『えっと‥‥。502号室。相沢 ユキ。あったわ、未来ここよ。』


病室内に入ると、その女の子、ユキちゃんが僕達の方を見て、嬉しそうに微笑んだ。



『エリカお姉ちゃん!!』


ユキちゃんは、ベッドから下りて、僕達の方に駆け寄って来た。



『ユキちゃん。元気にしてた?!はい、これ。ユキちゃんの大好きな“Hey Say JUMP”のCD。』



『わぁい。ありがとう!!エリカお姉ちゃん!!』


十歳の女の子の素直に喜ぶ、その純真無垢な笑顔を見た瞬間、


僕は胸が締め付けられる様な、何とも言えない感覚に陥った。


一体この子の何処が病気だと言うのだろう。


こんな、小さな女の子が――



『お姉ちゃん、このお兄ちゃんは誰?!』


ユキちゃんは、まん丸い大きな目をして、不思議そうに僕に視線を移した。



『ユキちゃん、このお兄ちゃんはね、お姉ちゃんのお友達なの。今日からはユキちゃんともお友達だよ。』



エリカちゃんは、ユキちゃんに優しくそう言った。



『うん。お兄ちゃん、ユキのお友達になってくれるの?!』

僅か十歳の女の子にそう言われた位で、僕は何故か照れてしまった。


それは、何時からか僕が忘れかけていた、純粋で真っ白な心と、真っ直ぐな瞳だった。



『ユキちゃん、僕は未來。よろしくね。』


僕とユキちゃんは、握手を交わした。



『未來、取り敢えず病室から出て話しましょう。』



五人部屋の、その病室から出た僕達は、長い廊下の一番奥の来客用のソファーに腰を掛けた。

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