セツナとの気まずい時間を乗り切ったレーヴェは窓の外を眺めていた。
「やっぱ年上には、さん付けがいいのかなぁ」
セツナはなんだか年上という感じがしなかった。それは外見のせいなのだろうが・・・。
「ただいま、えっと・・・」
「セツナ」
「そうそう、セツナちゃん」ハルは「ちゃん」を強調して言った。ハルもレーヴェと同じくなぜかちゃんをつけたいらしい。
「また」
「また?」
「それで、いい」
「あら、そう。よろしくセツナちゃん」
また、というのが気になったが、深く考えないようにハルはした。
「それじゃ、早速つくりますか」
ハルは気合いを入れて料理に取り掛かった。
セツナは一人だ。両親や友達も周りには誰もいない。近くにいるのは精霊だけだ。
家族の温もりもしらない、友達の優しさもしらない。そんなセツナの前にいきなりやってきた二人。レーヴェとハル。二人がそばにいるだけで心が満たされるのを感じる。しかし、そんな二人もすぐにいなくなる。また一人ぼっちに戻ってしまう。
(一人は、嫌)
セツナはそう心のなかで呟いた。
台所からハルの声がした。