「まあ事件がわかっても意味ないっすよ。それよりも、『空の上の星』と『少女』について考えないと。」
たしかにそうだ。
そうなんだが、なぜ覆面は爆破事件の犯人のようにふるまったのか?
みえか?
いや違う。それならあんなことを言って、見破らせたりはしないだろう。
なにか意味があるはずなんだ。
だが、やはりそれはわからない。
なら、哲史の言うとおり、こっちを先に解くべきか。
こっちにはタイムリミットがあるのだから。
「空の上の星ってのは宇宙のことっすかね?」
とりあえず、少女は後回しだ。
役にたつかわからんやつなんてあとでいい。
「んなわけあるか。もしそれなら、答えがでても俺が追えん。」
覆面は俺に追ってほしいと言った。
だから、それはない。
ってか、普通に考えてもそれはない。
「じゃあ、プラネタリウムじゃないっすか!?」
「それだと、空の上がよくわからん。」
空の下とかならまだわかるんだがな。
そもそも星をそのまま受け取っていいのか?
文字、読み方、石、距離などをあらわしているのでは・・・・・・
だが、確証となるものがない。
「あっ、もしかして星ってコンペイトウのことだったりして?」
こいつのジョークは相変わらずだな。
「コンペイトウが星みたいって、子供か!マジめに考え・・・・・・」
待てよ。そうか。そうゆう見方をすれば、あれが星なんじゃないか。
もし星があれだとして、空の上というのがそのままの意味なら。
ピースがつながってゆく。
「哲史!万葉市の地図をだせ!そこの棚の上にある!」
自分でも気付かないうちに大声をだしていた。
「は、はい!」
突然の事態に慌てながらも地図をとりにいく。
「どうぞ。」
渡された地図をひらき、万葉市の建物を見る。
万葉市は、『北区、東区、南区、西区、中央区』の5つの区からなる。
北区には、公園、学校、図書館
東区には、商店
南区には、墓地、教会、神社、寺
西区には、娯楽施設
中央区には、ビル
がある。
けして、それしかないということではなく、それぞれの建物や施設で、一番のものがそこにあるという意味だ。
例えば、学校だ。
中央区以外になら、当然に北区以外の区にもある。
ただ四区の中で、北区には最も多くの学校があり、また最も有名な学校がある。
ということだ。