「あの事件で多くの人間が死んだよ。原因はわからずじまいだが・・・俺は犯人がいると踏んでるんだ。だけど、アンタがやってることは・・・・!!!」
わからないのか!?
とウィルは言いたげだった。人殺しは皆同じだと、伝えたかった。
ウィルは続ける。
「俺はアンタを八つ当たり野郎と思っていたが・・・ノイザーだって知って、どうすればいいのかわからないんだ。俺達はあの事件の同じ被害者だ。同じ・・・仲間だ・・・!なのに、アンタはなんてひどいことを・・・!」
救ってやりたいのだ。同じ苦しみを知る者として、ウィルは男を救ってやりたかったのだ。
男の頬に一筋の光が走った。それは炎ですぐに乾いたがまぎれもなく、それは涙だった。
「この人生を・・自分を狂わせたのは・・・全てあの事件のせいだ・・・こんなはずじゃなかったのに・・・こんな・・・・」大きな体がひくひくと震えている。
ウィルはさっきまでの様子とは違う男を見て驚いた。
男はまるで少女のように小さく泣いていた。
「でも・・・・・」
ウィルは言った。
「アンタを許すことはできないんだ・・・!」
ウィルの瞳が紅く染まった。