「お前が忙しそうにしてるから、オレまた浮気しちゃったよ。」
と言って、
トシはいきなりユウコの部屋にズカズカ入ってきた。
不機嫌な顔をしたトシは財布をテーブルの上に投げ置いた。
「えっ?またしたの?」
と呟いて、ユウコは悲しそうな表情を浮かべた。
「だいたいお前が仕事終わるのおせぇし、休みの日は高校の時の2年何組の集まりがあるとか言って会わねぇからいけないんだろ。」
「でももうしないよって約束したのに? 」
ユウコは、めげずに言い返した。
「うるせぇな。じゃあヤリにだけでも夜中出て来いよ。 ハハハハ 。」
トシの笑いのツボが未だにに分からないユウコは、トシの言いたいことを理解したかのようにTシャツを脱ぎ捨てた。
その姿を見たトシは笑うのを止めユウコを抱き寄せた。
「反省してるよ。だから正直に言ったんだよ。」
嘘臭い顔をしてトシは謝った。
ユウコは、この顔が本当のトシだと思っている。
気が強い女ならば、浮気相手の名前を聞いたり、これを期に携帯チェックをするだろう。
でも、ユウコはそんなこらしめ方を少しも知らない。
やがて、ユウコの部屋の明かりは消え、2人は
重なっていった。
次の日、ユウコは大親友のユイと買い物に出掛けた。
昨夜の出来事をユイに報告した。
「は!?また?あんた別れたがいいって。
まぢキモイあんたの彼氏 。
ユイだったら股間ちょん切ってやるけどね。
本当あんた都合のいいように使われてるのよ」
と、ユイは人の彼氏を言いたい放題罵った。