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『聖人とサトルは、ツリーにオーナメントを飾ってね。
その間にあたしと奈央ちゃんがテーブルの上をセッティングするから。』
『ふぇ〜〜〜い。』
ミズホさんの指示に素直に返事をする聖人と――
『ケーキ早く食べたいな♪』
気持ちがちょっぴり急ぎ過ぎのサトル君。
『ミズホさん。シャンパングラスはコレを使ってください。』
『あ、奈央ちゃんありがとう。凄くお洒落なグラスね。
雰囲気出るぅ〜♪』
ミズホさんとあたしは、テーブルセッティング。
あらかじめ買っておいたオーナメントをツリーに飾るのは、聖人とサトル君がするコトになった。
『チッ。仕切り屋ミズホ。』
小さなサンタクロースのオーナメントを握り締めながら、
サトル君が舌打ちした。
『なぁによサトル。何か文句ある?!
い゛〜〜〜っっだ!!』
そのサトル君に向かって、わざと変な顔をするミズホさん。
ミズホさんてば、せっかくのキュートな顔が台無しだよぉ。
『少しは女らしくしろよ。だから男出来ねぇんだぞ!!』
反論するサトル君。
『うるさい!!サトルだって女いないじゃんよ!!』
ミズホさんも負けてはいない。
ひぇっっ‥‥どうしよう‥。益々エキサイトして来ちゃった。
『うるせぇ〜ぞ、お前ら!!
サトル!!ケーキ食わせねぇぞ!!
ミズホもギャーギャー言うな!!
サトルはバカ‥‥なんだからよ‥‥‥ってか?!』
聖人がオーナメントのトナカイさんを飾りながら、笑っている。
『今日はクリスマスなんだからよ‥‥。』
そう一言付け足して、あたしの方をチラリと見た聖人。
少し照れた目をしてた。
『はぁい。分かりましたぁ。』
『馬鹿はねぇだろバカはぁ〜!!』
聖人の一声で、やっと静かになったミズホさんとサトル君。
『お前ら、もうくっ付いとけよ。
マジお似合いだぜ。』
トナカイさんの次は、スノーマンのオーナメントをツリーに飾り付けながら、そう言った聖人。
何時もはケンカばかりしているミズホさんとサトル君だけど――
実はあたしもお似合いなんじゃないかって、ずっと思っていたんだ。