静かな夜だ。セツナの家の近くの湖辺りでこれからのことをレーヴェとハルは話していた。
「地図は欲しいわね」
世界地図は貴重だ。王族の人達やそのことに詳しい人達などしか持っていない。「そのためにはまず都市に行かないといけませんね」
それから、二人は明日村人に近い都市を教えてもらうことにした。
「じゃ、行ってくるから」
ハルは家にいるセツナに言った。
「うん、いってらっしゃい」セツナもだいぶ二人に慣れてきたようだった。
村人に適当にきいていくより村長にきいたほうが早いと思ったレーヴェはそっちに行くことにした。ハルはというと、片っ端から村人から情報を入手することにした・・・らしい。
「ハルさんは少し無謀じゃないかなぁ」
そんなことを呟きながらレーヴェは村長の家に向かった。
「フリード」
セツナはそう言い、自分の精霊を呼び出した。いつも森の奥でフリードと遊ぶことが日課となっている。いつもは小さい姿だが、セツナが指示をすれば人がのれるくらいに大きくなれる。「私も村のためにできること、あるかな」
フリードはセツナの周りを飛び回った。元気づけてくれているように感じて、セツナは微笑んだ。