車両と車両を繋ぐドアに俺は入った。
そこには革のカーテンでしか守られていない壁がある。
俺は銃で穴を空け、こじ開けようとした。
が、革はびくともしない 穴はおろか、傷さえ付けられない。
まだだ……、諦めない!
そう思った俺はエアコンを確認し、部品を外したら外に行けるのでは…?
しかしそんなにこの物語は優しくはない。
分厚い鉄みたいなものでびっしりと塞がれていた。 さらに希望を削がれ、俺は途方に暮れた。
『出る方法は一つさ…。』
「またお前か…」
『魂になるしかない…=死ぬんだよ』
「………くそっ…。」
俺は銃を握りしめ、葛藤していた。
死ぬか
苦しむか
生きるか
出るか
わからない。
突然、後ろから、ィ―――という音が聞こえる。
「ツギハ―、OriginalSin。ツギノハッシャマデ、一時間です。ホームカ車内デお待ちクださい」
少しすると、ドアがプシュウ、と開く
開いた…
開いた!?
マジか!
俺は直ぐさまホームに出たが、そこはホームと呼んでいいのかわからない場所だった。
瓦礫と血糊と腐敗臭、そして異形の生物
異形の生物は、馬みたいな生物だった
が、馬とは違う点がいくつかちらつく。
足が人の足で、前足が虎の足で、血が滲み出ている。
ズル……ズルと足を引きずり、血を吐き出しながらこっちにくる。
俺は手に持っていた銃を構えた
「く……来るなぁっ…!」 震える手を必死に押さえ、標準を合わせる。
しかし馬の怪物は有無も言わず、ただ、ただ近付いて来る。
俺は恐怖に負け、発砲をした。
パァンッ―――!
グチャッ!
気味の悪い音をたてて、鉛弾が怪物を貫く。
怪物は断末魔の叫びをあげ、血を噴水の様に吐き出し、果ててしまった。
「ハァッ……ハァっ…つ…。」 一気に疲れた…。 俺はリュックに入れていた水を飲み干し、電車に戻ろうとした。
「OriginalSin、キミノコトダヨ。」
またあの子供の声が聞こえる 「何だよ!」
「クスクス……、ソノウチワカル、コノニクタイノロウゴク、スベテハシュウテンニアル」
無視をして、電車に戻った。