ティルは式場から離れて行った。
ゆっくり歩いて。
そんな、ティルに近づく一匹の蝶がいた。
真っ黒な蝶だ。ただ、左の羽に鳥のような模様があった。
その蝶はティルの周りをクルクルと回った。
「おまえ、なぐさめてくれるのか?」
その蝶はふわりとティルのブロンドの髪に止まった。
「そうか。おまえ、変わってるな。」
ティルはそう言うと、指にその蝶を止まらせた。
「おまえ、羽に鳥が飛んでいるね。そうだ。おまえ、バーディーだ。鳥のバーディーだ。」
バーディーは嬉しそうに飛んだ。