レンには、まだ状況がよく理解できなかった。
｢……奴らって…？｣
｢詳しいことは俺にも分からない…｣
｢…何言ってんだ……お前が師匠を…！｣
｢言っとくが俺はお前の師匠とやらに手を出してはいない｣
グランがレンの言葉を遮った。
｢何…だと…？｣
｢お前の師匠…シズナを襲ったのはな、俺ではない｣
｢じゃあ一体誰が…！｣
｢…奴らだ……｣
｢…………｣
｢…………｣
｢なぁ…｣
｢…何だ…｣
｢せめて…そいつら…奴らの居場所ぐらい分かんないのか…｣
｢…………火山…｣
｢火山？｣
｢の、噴火口にいるはずだ…｣
｢噴火口…？｣
火山の噴火口といえばかなり暑いはずだ。いつ噴火するかも分からないだろう。レンには、そんなところに行く理由が分からなかったのだ。
｢奴らは……火山の……マグマの熱をエネルギー源にしているんだ…｣
｢………！｣
レンは、また村に向かって歩み出した。そこに、グランも付いていく。
｢…何で付いてくるだよ｣
｢…シズナを助けに行くんだろう？…俺も奴がいないと困るんでな…｣
｢……｣
｢…貴様の了解無しでも火山には行くのだがな……俺は貴様に死なれても困るんだ…｣
｢……何を企んでいる？｣
｢…いいから、黙って進め｣
二つの影が、ノール村へと伸びていた。
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