「…仲間がいるな」
「…は?」
ノール村に到着したレンとグランは、とりあえず食堂で作戦会議…のための食事をしていた。
「だから、仲間がほしいと言っているんだ」
レンは、食べながら答えを返す。
「…うぉみぇめ、しょんなほとうぃっとるぶぁわうぃ……うげっ、詰まった…」
レンは胸を叩きながら苦しそうに咳き込む。
「どれ…」
グランは、レンの背中を叩いてやろうと、立ち上がって、構えた。
「…我慢…しろよ?」
その時、初めてグランが笑った…というより、にやついた。子供が見たら、泣くであろう、とても恐ろしい顔だ。
そして、グランは思いっきりレンの背中目掛けて腕を振り下ろした。
「!!!……」
グランに叩かれたレンは、余りの痛さに何も言えなかった。ただ、ひたすらに店内を走り回っていた。
「強すぎたか…まぁいい」
グランは、一人で食事を楽しんだ。しばらくして、ようやく痛みの治まったレンが戻って来た。
「よぉ、遅かったな」
「お前…」
レンは、半泣きしていた。
「ふん、貴様がいけないのだろう」
「…あのさ…」
「何だ」
「何つーかその……貴様って呼ぶのやめてくんないかな……出来れば…レンで…」
照れくさそうにレンが言った。
「…いいだろう…レン…」