夜の警察署
「アイ!」
アイは無事だった。
「ユウちゃんどうしたの?そんなに慌てて。」
「何言ってんだよ、心配したんだぞ。」
僕は強くアイを抱きしめた。よかったと何度も口ずさみながら。
「ユウちゃん、ちょっとお話があるの。来てくれる。」
アイのお母さんに連れられ警察署を出た。
「ユウちゃん、愛をこれから病院に連れていくのに愛の傍に居てあげて。」
「はい、大丈夫ですけど病院って何かあったんですか?」
「検査を受けるの。もしそこでアイに何かあってもアイを嫌いにならないでくれる?」
「何言ってるんですか。嫌いになる訳ないじゃないですか。」
「ありがとう、ありがとうね、ユウちゃん。」
「おばちゃん?どうしたんですか。大丈夫ですか。」アイのお母さんは僕の前で泣き崩れた。
そして僕はアイのお母さんと供にアイを連れて病院へ向かった。空はもう太陽が昇っていた。
病院へ着き、アイが検査を受け始めるとアイのお母さんは何かに祈り始めた。きっとこの検査で警察署にいた時僕に伝えられなかった何かがはっきりするんだろう。そしてそれは、アイを知る人達全てが悲しむ事である事は何となく分かっていた。 パチパチ…6へ