「私はリアム、お会いできて光栄ですウラ様」
「あ…どうも、あの…様づけじゃなくていいですよ。」
元の世界ではエリート部隊とは言え下っ端だった。はっきり言って『様』付けされるようなガラじゃない。世界は違えどリアムのほうが立場は上だ。
そんなやり取りをしている時だった。この場に2つの部隊が駆けつけたのだがリアムとは別の部隊が別行動をし始めた。
「今日の仕事は終わりだ。さっさと帰って酒でも飲みいくぞ!」
その部隊の隊長なのだろう。その隊長は何とも軽そうな男だった。
「フーゴ!まだ仕事は終わっていない!3人を街まで護衛するのが我々の任務だ!」
「後はお前らだけで十分だろ。じゃあな犬野郎」
そう言ってフーゴは部下と親しげに喋りながら帰っていった。
「あの2人相当仲悪そうだな…」
2人の不仲は誰が見ても明らかだ。
「あの2人『犬』と『猫』って呼ばれてるんだよ。」
ニコも初めて2人を見たが噂はよく聞くらしい。忠誠心の強いリアムと自由奔放なフーゴはよく犬と猫に例えられた。
街までの護衛、それにしても大げさな人数だ。あの男の事も気になる。
「さっきの男って…一体何者なんですか?」
ウラはどうしても気になりリアムに聞いてみた。
「あの男の名前はポッドマン、敵対するヤハウェの人間です。部隊を2つも動かしたのはやつがそれだけの実力があるからです」
確かにあの男の持つ武器、異様な空気は常人のそれとは別格だった。