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胡蝶蘭  2008-06-30投稿
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芽衣子とカフェを出て別れた後、ノロノロと家に向かって歩き出す。
(なんでみんな、不幸な恋愛ばっかり興味あるんだろう。なんで不幸な目にあってる人で感動できるんだろう。波乱万丈な恋が同情されて、普通に幸せな恋は『良かったね』で流される。なんでハッピーエンドで満足されないんだろう。)
ボーっと歩きながらそんなくだらない事を考えていた。
途中、スーパーに立ち寄り夕飯の買い物をした。
今日は金曜日。
時刻は17:24。
(ちょっと遅くなっちゃったな…)
早歩きで家に着くと、急いで夕食の支度をした。
18:45。
いつもの時間にメールが入る。
『開けといて』
玄関の鍵を開け、また夕飯の支度に戻る。
しばらくして、愛しい声がした。
「ただいま。」
卵焼きの、甘い香りが部屋に漂う。
「おかえりなさい。ご飯、もうちょい待ってくれる?」
「うん。今日は何?」
彼が後ろからぎゅっと抱き締めて頬を寄せる。
この仕草がたまらなく好き。たまらなく幸せになれる。
「卵焼きと鯖の塩焼きと、金平ごぼうとほうれん草のおひたし。」
「おっ、ヤッター卵焼き!!栞の卵焼き美味いもんな。」
「はいはい。ねぇ悟、お箸並べて?」
「はーい。」

幸せな週末が始まる。



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