また、それぞれの区に住宅がある。
中央区、北区、東区、西区、南区の順に住宅が多く、家賃が高い。
ちなみにここは南区で、墓地があるせいか、最も家賃が安い。
地図を見ると、爆破されたプラザ万葉は中央区の真ん中にあった。
そして、俺が知ってるプラザ万葉の情報を思い出す。
たしか、万葉市最大のビルだった。
屋上から見える風景は、万葉市を一望できるとか。
昔は、それが売りでたくさんの人がプラザ万葉に行ったらしい。
そんなことを考えながら、確信した。
なぜプラザ万葉を選んだのか。
そして、俺の考えが正しければ、『少女』は鍵だ。
覆面に至る扉を開くための鍵。
見つけてやるよ。覆面!
「哲史、覆面の言葉は全部メモってあるな!?」
地図をしまいながら、わけがわからんといった顔の哲史に問い掛けた。
「それは大丈夫っす。俺の癖は知っているでしょう。」
こいつには、計画にミスがないか調べるために、常にメモをとる癖をつけさせた。
紙をとおして、視覚的にも、物事を考えろ。
これも教わったことだ。
「でるぞ!」
俺は哲史の言葉をきかずに外にでる準備をする。
「えっ?どこへ?」
哲史を追い出し、家に鍵をかける。
「鍵のところだ。」
「そろそろ出かけたとこかな。」
時計を見ながら、呟いた。
藤村賢は頭がキレることは知っている。
あれだけヒントを残したのだ。
きっと、私のなぞなぞを解く鍵は手にいれるだろう。
たとえ、わからなくともあそこへは行くだろうがな。
今回は、入門試験のようなもの。
優しくしてやる。
まあ、闇雲に行っただけでは鍵は手に入らないだろうが。
「しかし、今からでまにあうかな。」
そう、私の考えをよみ、あの場所にきたとしても、鍵を見つけられるかどうか。
藤村賢は少女の場所はわかっても、彼女の容姿ほもちろんのこと、声や名前すら知らない。
いや、ただしくは・・・・・・
まあ、なんとかしてくれるだろう。
このぐらいで躓くようなら遊んでやる価値もない。
すぐに殺してやる。
お前の大切なものを全て奪ってな。
「さあ、見事に由城彩香(ゆきしろさいか)を見つけてみろ。私を失望させるなよ。」
そして、賢達に覆面と呼ばれている人物も動きだした。