アキカン

リゾート  2008-06-30投稿
閲覧数[589] 良い投票[0] 悪い投票[0]

幼い頃、僕には親友がいた。
幼い頃といっても今の僕の年齢から考えると12年前のことなのだけど。

12年前、僕は小学一年生で真新しいランドセルを背負い初めて通う小学校に胸踊らせていたことを覚えている。
ドキドキしながら教室に入ったこと、初めての授業、なにもかもが新鮮で輝いていた。
その中で初めて僕に話しかけてくれたのはアキちゃん、中山アキヒコ君だった。アキちゃんと仲良くなるのには時間はかからなかった。

小学校に入ってから初めての夏休み、僕はアキちゃんの家へ泊まりに行った。
アキちゃんの家はそんなに大きくなかったが、小一の僕から見れば立派な家で僕は驚いたのを覚えている。
一泊二日の二日目に僕とアキちゃんは市営プールに行き、日が傾くまで時間を忘れ遊び続けた。
その帰り道、僕とアキちゃんは二人のお小遣いを合わせて一本のコーラを買ってのんだ。
アキちゃんはふいに空き缶を掲げ「今日は俺とカンイチの親友記念日だ!」と、声を上げた。
今思うと、バカなことを発表したなと思う。

冬が訪れ冬休みになり、アキちゃんと遊ぶ時間が長くなって寒いという気持ちよりも嬉しさがあふれてきた。
その冬休みが終わり新学期を迎えたとき、アキちゃんは始業式に姿はなかった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 リゾート 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]
翌朝ぷるるんっ!!
★オールインワンゲルH★


▲ページトップ