奈央と出会えたから。<173>

麻呂  2008-06-30投稿
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ミズホさんは、とてもお洒落なヒトだ。

プラス、とても可愛いヒト。


あたしの同級生の中でも、ミズホさんに憧れてるコって、結構いたし。


勿論、女の子ね。


だから、どうして彼氏がいないのか、


あたしはずっと不思議だった。


だって男の子がほっとく訳ないよね。


こんなに可愛いかったら。


サトル君は、坊主頭がポリシーの個性的な男のコで。


憎めないその明るいキャラで、いつも周りを笑わせてくれる、クラスのムードメーカー的存在。


とは言っても、ミズホさんもサトル君も、一応あたしの2コ上の先輩だから、


これは3-5の他の先輩達から聞いた話なんだけどね。


聖人はサトル君と小学校からの親友だから、何となく二人のコト、感づいていたみたい。





――二人は惹かれ合っている?!





『ミズホ。ツリーの方は飾り付け、一応終わったぜ。』


そう言って、大きく背伸びをする聖人。


『本当?!早いね♪聖人、センスいい〜!!凄く綺麗じゃん!!』


それをべた褒めするミズホさんの小さな手には、大きな鍋掴みがはめられている。


ピザをオーブンから出した所だったんだ。



『ちょっと待った!!俺は?!俺も一応ツリーの装飾やったんだけど。』


忘れてもらっちゃ困ると言わんばかりに、サトル君はミズホさんに大きくアピール。



『サトルはセンスは無いけど、ありがとう〜♪ってカンジ???』


悪戯っぽく笑うミズホさんは、やっぱり可愛い。



『ちぇっ。何だよそれ。でもまぁいいや。それでは、準備万端というコトで。ケーキを頂きぃ〜♪』

サトル君は、クリスマスケーキのガトーショコラの上の、


“Merry Christmas!!”と書かれたチョコレートを手で抜き取った。



『ちょっと!!準備は、まだ終わってないのよ!!いやだぁ〜!!もうっ!!バカサトル!!』


そんなミズホさんとサトル君を見ていると、


あたしは益々旨くいって欲しいなって思えてくる。





『奈央。この短冊に願い事書いてツリーに吊すんだろ?!』

さっきから、ツリーの前に黙って立っていた聖人が、不意にあたしにそう尋ねた。



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