写真の事を色々と質問する私に、
「そんなに写真が好きなら、次の日曜日、私のスタジオで撮影会があるから、是非参加しなさい。実践する事が勉強になるから是非いらっしゃい。」
と、勧められ、何の撮影会かも確かめず、
「はい、参加します。」
と、答えてしまい、現場に行って初めて、ヌード撮影会と知って、慌てました。
それまで、モデル撮影会は参加した事がありましたが、ヌード撮影会は初参加でした。この撮影会は大規模で、このカメラメーカー主催で、全国各地から腕自慢が集まって来ていた事は後で知りました。
1週間後の、このカメラメーカーの写真クラブ主催の例会に参加する事になり、撮影会で撮った自信作を2枚持ち寄って、クラブ員全員と角尾先生の審査を受けました。クラブ員の先輩諸氏の作品は何れも素晴らしい出来で、私の作品は見劣りがして、如何にも素人が撮った写真みたいで、恥ずかしい思いをしました。
この例会でのアドバイスを参考にして、この撮影会の全国コンテストに応募しました。そして、今回も全国第1位、クラブ賞推薦を頂きました。
前回のモデル撮影会に続き、賞を頂き、しかも、いきなり全国第1位になってしまいました。この事から、コンテスト中毒になり、多くのコンテストに応募、30数回の賞を頂きました。
その中でも、二科展写真の部に2度入選している事が最も誇れる事です。このコンテストはプロフェッショナルも応募でき、応募総数に対する入選数が極端に少なく、写真を趣味にする者にとっては憧れのコンテストで、死ぬまでに1度は入選したいて言われるコンテストでした。
初入選の祝賀パーティーで、入選された諸先輩方に、
「君のような若者が入選してはいけない。我々は死に土産に入選しているのに、君が入選するのは50年早い。」
と、お叱りを受けたものです。
しかし、二科会の先生方には大変可愛がって頂きました。
「これからの二科会を背負って行くのは、君のような若い写真家だ。頑張りなさい。」
と、激励を受けました。
以来、20年近く過ぎ、今、私がライフワークにしているのが、太平洋の楽園の写真です。ハワイ、グアムと撮り進み、今、南太平洋を撮影しています。
ニューカレドニア、タヒチ、フィジーを撮り終えれば、写真集を出版しようと計画しています。
ワーキング・プアで苦しんでいる同志諸君、趣味を持ちましょう。
つづく