新郎新婦を見ようと、会場にいる全員が入口の方に体を向けて、大きな拍手をしていた。新郎の悟志が、新婦の美樹さんと手を繋ぎながら入場してきた。 涼平も香緒里さんも大きな拍手をして、二人を迎えている。 でも、俺は幸せそうなふたりの事なんか眼中になかった。俺が見ていたのは、小野真愛ただひとりだった。 真愛も俺と同様、新郎新婦の方を見ずにずっと俯きながら小さく拍手をしていた。 その姿を見て俺は、彼女が高校時代からほとんど変わっていない事に気付いた。
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用