俺は待っていてもらい悪いと思ったので、 「持つからこの上に置いてよ」
と声を掛けた。
それでも彼女からの返事は無かった。
俺はしょうがなく、男子の分だけ持って、職員室に向かった。
俺は一切返事をしない真愛が、非常に気になって仕方なかった。 時々気になって振り返ると、いつも顔を真っ赤にして俯きながらついてきていた。
俺達は英語教師に遅いと、厭味を言われながらもとにかくノートを渡して、職員室を出た。
出たところで俺は真愛に昼休みを潰した事を謝った。
しかし真愛は、顔を真っ赤にして俯いたまま、教室へと駆けて行った。
俺は呆然と見送りながら、一言も声を聞いて無いことに愕然としていた。
この事があってから、俺の中で彼女と話したい、という気持ちが膨らみ始めていた。