手紙は渡してくれたようだが、返事は全くの梨の飛礫だった。 当然翌日の入学試験は散々な結果で、初めから浪人するつもりだった涼平と、一年掛けて同じ大学に入学したのだった。 高校を卒業したら彼女の情報が入ってくるわけもなく、もっと早くに気付いて手紙を渡すのだったと、ずっと俺は後悔していたのだった。 それが俺に大きな未練を残している理由だった。 もちろん、その娘というのが小野真愛、たった今俺の前でいつかのように、顔を真っ赤に染めて俯いている女性だった。
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