「まぁ、八年もたつとどんな娘でも変わるんちゃうか」
俺は無難に答えておいた。
「そんなもんかねぇ。俺はてっきり…」
涼平はそこで言葉を切ると黙ってしまった。俺もそれ以上突っ込むと、墓穴を掘りそうなので黙っていた。
「トイレいってくるわ」
俺はある事を閃いたので、涼平にそう言ってトイレに向かった。 肩越しに、
「あの娘らもええなぁ」
という呟きが聞こえたが、(まぁええか)と思い、閃いたことを実行に移すために、個室の方に入った。
俺はその中で、いつも持っている手帳に、俺の携番とメアドを何度も間違いないか確認しながら書いて、書き終わるとそのページを破いて、ズボンのポケットに入れた。
俺はメールなら普通に話せないかと思い、この手を使おうと思ったのだった。
俺が会場に戻ると、涼平は案の定違う女の子達と話していた。
俺は適当に二つの皿に料理を盛ると、
「涼平、戻るぞ」
と声を掛けた。
涼平は名残惜しそうに、女の子達とわかれると俺と一緒に香緒里さんと真愛のもとへと戻った。